『災害備蓄食品のリサイクル』
みなさん、こんにちは! J.FECの“ T ”です。いよいよ今年も押し迫ってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。私はなんだか気が付けば年の瀬という感じで、一年は早いなあ……と思いつつ業務に取り組む毎日です。それにしてもどうも天候が不安定というか、こちら(関東南部)はいま一つキリッとした冬ではないですね。11月に雪が降ったかと思えば少し前は春のように暖かかったですし。私自身も先日は外出先で豪雨に遭ったり、帰るときは台風が来ているときのような生暖かい風が吹いていたりで、なんだか妙な気分でした。こういう時は体調を崩しがちかと思いますので、皆様もどうかご自愛ください。
さて、今回は先日弊社で行った、とある食品リサイクルをご紹介します。普段J.FECで処理をお受けしている食品残さはご飯やパン、野菜といったような「よくある食品」が多いのですが……今回の対象はこんな感じのものでした。
板状の栄養補助食品や缶詰入りのパン、アルミパックされたビスケットやクラッカー。そう、いわゆる災害備蓄用の食品です。各自治体では災害に備えてこういった食品を備蓄しているのですが、いくら長持ちするといっても賞味/消費期限が来てしまえば入れ替えなければなりません。こういったものが都内だけでも何千ケースとあって、それらはこれまでほとんどが廃棄されてしまっていました。
でも、それってもったいないですよね? 写真を見ていただければわかる通り、期限切れほやほやで(という表現も変ですが)品質も全く劣化していません。それに一般の人々が災害時に食べることを想定したものなので、カロリーをはじめとした栄養価も高いものが多いです。これを活用しない手はないんじゃないか、というわけで、都内で出た期限切れの備蓄品をリサイクルする取り組みが東京都の事業として行われることとなりました。この事業には多くの会社・法人等が参加しており、私たちJ.FECも食品残さの飼料化を手掛ける企業として加わらせていただいた形になります。
今回の作業はいわばトライアル的な段階で、どのような作業工程になるか、どんなふうにやれば効率的かを主に検討するものといえるかと思います。事前の試行錯誤もありつつ、今月中旬に東京都の方も視察に来られる中で開封作業を行いました。
ちなみに、作業は以前このブログでもご紹介した就労支援施設であるオンステージ鶴間の利用者の方々に行っていただきました。(参照:以前の記事)いまは毎週1回、J.FECに搬入されるパンを開封・選別する作業を行っていただいています。とても仕事が速くて正確なのでいつも頼りにしているのですが、今回もその実力を発揮してくださいました。それぞれの備蓄品の扱いに慣れてからの開封スピードはすごくて、処理後の包装がどんどん溜まっていくあたり、以前の乾パンを思い出しますね。上述した災害備蓄品(全部で4種類)を開封していただき、それを東京都ほか関係者の皆さんに見ていただいて、今後に生かす内容とすることができたと思います。この後報告書等も出来てくるでしょうが、私としては山を越えた気分です(笑)。
というように、今回は災害備蓄品のリサイクルに関わらせていただいたのですが、やはりまだまだ活用できていない廃棄食品がたくさんあるんだな、と改めて実感しました。上でも書いたように品質自体はとても良く、かつ開封しなければ劣化しにくいものですから、飼料の原料としてうまく使っていければと思います。また、今回オンステージさんに作業していただいたように障がい者雇用の創出にもつながる可能性があるわけで、いろんな側面でプラスになる事業ですよね。
他方でやはり課題もあって、一番大きいのは輸送や開封にかかるコストです。工場の流れ作業の中ではなかなか扱いづらいため、どこか別の場所で、人手をかけて開封する必要がありますし、その場所が離れていればさらに輸送コストがかかります。こうなると、だったら燃やした方が安いし……となってしまいかねないんですよね。でも事業である以上、採算が取れないものはできませんから、なかなか難しいところです。行おうとしている内容はとても有意義なことなので、そのあたりをうまくフォローできる仕組みができるよう、これからも頑張って取り組んでいきたいと思います。
さて、このブログもこれが今年最後の更新となります。本当はもっといろいろなことを書きたかったのですが、なかなか思い通りにはいかないですね(苦笑)。来年は時間の使い方をうまくして、もう少し頻繁に更新するようにしなければと自戒するTでありました。
それでは今回はこのあたりで。本年もこのブログをご覧いただきありがとうございました。皆様、どうかよいお年を!