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世界循環経済フォーラム2018

11月 10, 2018

by — Posted in 業務紹介, 活動日記

『世界循環経済フォーラム2018』

 

みなさん、こんにちは! J.FECの“ T ”です。もの凄く間が空いてしまったのですが、あえてそこには深入りすることなく本題に入らせていただければと思います。サボっていたわけではありません。手が回らなかっただけなのです……。

 

さて、先月のことになりますが、10月22~23日にパシフィコ横浜の国際会議場で「世界循環経済フォーラム(WCEF)2018」が開催されました。これは循環経済に関する世界中の事例の紹介や、SDGsの達成に向けた循環経済の役割等についてパネルディスカッション等で議論が行われる国際的なイベントで、約85カ国、1,000名以上の方々が参加したそうです。弊社代表の髙橋もパネリストとして登場しており、私も会場にいましたので(初日だけですが……)、今回はその様子をお伝えしたいと思います。

 

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太鼓のパフォーマンスで幕開け

 

“Circular Visions towards 2050” と題されたグランドオープニング。
原田環境大臣とフィンランドのティーリカイネン環境・エネルギー・住宅大臣、また林横浜市長のスピーチではそれぞれ、SDGsやESDに対するアプローチが進み、キーワードである「循環」のさらなる実現に向けて各ステークホルダーが手を携えていくことへの期待が語られていました。
また、中学生代表として壇上に上がったお二人は、「リサイクル自販機」の構想や、「今のようにおいしい寿司を食べ続けるために何をすべきか」といった明確な問題意識を示したスピーチをされており、とても面白く聞くことができました。昔は私の家の近くでも空き瓶を酒屋さんに持っていくと引き取る代わりに何円かもらえる、なんてことがありましたが、「リサイクル自販機」はそれを思い出しますね。

その後の “High-level talks” では、欧州委員会や地球環境ファシリティ(GEF)、OECD、国連環境計画(UNEP)といった国際的な組織の方々が、様々なトピックについてのディスカッションを行いました。気候変動から「所有」のあり方、さらには時間というものの資源性まで幅広い内容が扱われましたが、そのすべてを通して「循環型社会の形成には経済合理性を有するシステムが必要である」という点が共有されていたように感じます。

 

ディスカッションの様子
ディスカッションの様子

 

ここで休憩。私もコーヒーとチョコをいただきました。

 

コーヒーとお皿を片手で持つ技術が必要
コーヒーとお皿を片手で持つ技術が必要

 

そして午後は、四つの議題に分かれて行うパラレル・セッション。私が聞いたのはもちろん “Circular Food Systems in Cities” です。循環経済というものを考えるうえで、都市は中心的な役割を果たす場所となる。食品に関する問題に注目したときでもそれは同様であり、世界人口が増加し都市化が進む中で果たしてどのような取り組み、解決策が考えられるだろうか? というような問題提起が行われました。

最初のJocelyn Blériot氏の講演では、都市における循環にはバイオロジカルな面とテクニカルな面があることに触れたのち、AgriProtein(有機廃棄物をエサにして育てた幼虫の資源化)についての紹介がありました。台湾でも蛋白源としてコオロギを育てる工場があるそうですし、ミドリムシ入りのきなこ棒は買って食べたらおいしかったですし、考え方としては理解できるところですが……直接食べることに抵抗がないかといわれると、少し考えてしまいますね。養豚にも言及されていましたが、現時点では法規制上難しいので、日本のような規制の在り方を参考にすべきでは、と仰っていました。

次は横浜市のKazuo Fukuyama氏。「SDGs未来都市」である横浜市の取組みについての発表です。ゴミの中でも食べもの関係の廃棄物が占める割合は非常に多いので、環境教育やレシピの配布、外食での食べ残し削減やリサイクルループの構築に力を注いでいる、といった点の紹介がされました。

三番目がNoriko Ishizaka 氏と Yoshie Munakata氏で、リサイクル業を行う中で環境教育を行う場として「三富今昔村」を作り様々なプログラムを提供していることや、「豊橋フードプロジェクト」(”Toyohashi Food Project”)への取組みが発表されました。映像や写真がとてもきれいだったので、下で少しだけご紹介します。

 

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そして締めはパネルディスカッション。Miriam Otoo氏、Yvonne Yang氏、そして弊社代表の髙橋の三人が登壇し、” How can circular economy solutions help fast growing cities? ” と題してディスカッションを行いました。

 

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左端の方はコーディネーターです

ここでは議論が非常に多岐にわたったので全てをご紹介することはできないのですが、いくつかピックアップするなら……

・フードロス対策を途上国で行うことは重要だが、それには国際的な協力が不可欠。政策決定者を動かし、ビジネスとして成立するようなモデルが作れなければそもそも資本が投下されない。ガーナでは補助金を用いることでシステムとして成立させることができたが、それはあくまでパイロットレベルであり、そこを超えたビジネスモデルを、論証するのみならず実際のものとして構築する必要がある。

・都市によっては郊外からの新鮮な食品の移動が難しい場所がある。それは様々な資源をムダにしていることといえる。フードロス対策のひとつとして、アプリを使ってスーパーマーケットとフードバンクを繋げる取組みがある。バーコードによる情報管理を用いており、需要と供給のバランスやミスマッチの発生など、難しいことも多いが、環境・経済にまたがった社会的な取り組みといえるのではないか。

・ビジネスモデルには実現可能性がなければならない。また、既存の技術が別の場所でもうまくいくというわけでは必ずしもない。制度・政策的な枠組みが必要であるのと同時に、地域の人がどうそれをとらえ、活用するかというところにかかっている。

・優れた対話と情報の透明性があってこそ、有効なシステムは成立しうる。現状、情報を十分に共有できるプラットホームがないことが大きな問題で、そこに経済的インセンティブを見出せるようにすることが、中央政府や地方自治体のすべきことのひとつではないか。

・食品のリサイクルを行ううえで農家はとても重要なファクター。そこでリサイクル製品を使い続けてもらうためには何らかの付加価値をつけることが必要であり、また消費者の理解も大事。経済面を見れば、ポイント制度などのインセンティブの仕組みを作ることが必要ではないかと思う。

といったところでしょうか。会場からの質問もあり、活気のあるディスカッションでした。

鋭い質問も飛んでいました
鋭い質問も飛んでいました

 

このような感じで非常に盛況だったのですが、今回のイベント全体を振り返って個人的に最も印象に残ったのは、行われた発表や発言の多くで「開発と環境を両立させようとするSDGsの達成には、経済合理性を有するシステムが必要である」という趣旨が表れていたことでした。リサイクルに携わる企業に所属する者として、これはとても納得のいくところです。

もちろん政府等による(たとえばそれ単体での採算を度外視した)補助金などの支援が必要なケースも多いはずですが、消費者をはじめとする各ステークホルダーを巻き込んだ継続性のある循環システムを実現するためには、誰かの善意や犠牲、あるいは税金だけに頼るのではない、“民間企業の経営が成り立つ”ような仕組みを構築する必要があるのではないかと思います。
参加者の誰かが「それぞれの地域に合ったシステムをつくり、今を生きながら将来に向けて責任のある行動をすることが必要」というようなことをお話しされていましたが、まさにそのような形で、自分自身取り組んでいかなければならないな、と思わされた一日でした。

長くなってしまいましたが、今回はこのあたりで失礼したいと思います。
ご覧いただきありがとうございました!

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