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飼料の話・水分率

1月 19, 2016

by — Posted in 業務紹介

『飼料の話・水分率』

 

みなさん、こんにちは! J.FECの ” T ” です。お正月はJ.FECの工場も早じまいでしたが、あれから早や2週間以上。ここのところ急に冬らしい(という表現もヘンですが)気温と天気になっているようで、皆様は体調など崩されていないでしょうか? 昨日はこちらもかなり積もって、雪かきが大変だったみたいです。……私は運よくお休みだったので様子を聞いただけなのですが(笑)。

でも、あの交通状況では、もし出勤日だったら私は会社までたどり着けなかったかもしれません。みんな出勤できなくて工場が動かない、なんてことになれば多くの方にご迷惑が掛かってしまいます。実際今回も、操業自体は大丈夫だったとはいえ、飼料の配達が大幅に遅れてしまったところがありました。これはとても申し訳ないことで、今後こういうことがないように対策を考えないといけないな、と思います。自然相手でもあり完璧な対策というのは難しいだろうと思いますが、できる範囲で可能な限り、ですね。

 

さて、今回は「水分率」についてお話ししたいと思います。水分率とは読んで字のごとく「その物質の何%が水分か」を表す数字です。他に「乾物率」という数字を使うこともあって、これは(100-水分率)%で表されます。この二つは実質的に同じものなのですがそれぞれ使いやすい場面があるので、一応両方ご説明してみました。

で、上で書いたように水分率は「その物質の何%が水分か」を表す数字ですが、J.FECでは必ず毎日3回、その日に作ったエコフィードの水分率を計測しています。では、なぜそのようなことをしているのでしょうか? 次の段落までの間、少し考えてみてくださいね。

 

……はい、では答えです。一言でいえば「豚が育つための栄養は、水分以外(=乾物)の部分に含まれているから」となります。なんだか、一言のわりに回りくどいですね(笑)。

身近な例としては、ご飯とおかゆを想像してみてください。普通に炊いたご飯100gとおかゆ100g、重さは同じでもカロリーは結構差がありそうですよね? それはおかゆのほうが水分率が高い=乾物率が低い、つまり『お米』部分の割合が少ないから。エコフィードもそれと同じで、乾物部分の(グラム単位での)栄養価がわかっていても、エコフィード全体に対してどのくらいの割合で乾物が入っているかがわからなければエコフィードの(グラム単位での)栄養価もわからないことになってしまいます。それでは「J.FECのエコフィードのほうが配合飼料より安い」なんて言えません。重さあたりの価格が半分でも、乾物の量が3分の1だったらかえって割高ですからね。

ちなみに乾燥飼料(「風乾飼料」と呼ばれます)の栄養価は、一般的に水分率13%で計算されています。J.FECのエコフィード(リキッド飼料)は平均78%くらいを想定していますから、乾物計算では約4分の1。もちろん価格設定もそれを踏まえたものとなっています。

だから私たちが毎日水分率を計っているのは、別の言い方をすれば、その日のエコフィードがちゃんと良質でお得な商品になっているかを確認するためなのです。

 

他方で水分率が高いことのメリットもちゃんとあって、そのひとつが「消化が良く栄養分を吸収しやすい」ということ。さっきご飯とおかゆを例に出しましたが、おかゆは消化が良いから胃腸が弱っているときでも大丈夫、なんてよく言いますよね。J.FECのエコフィードもそれと同じで、含まれる栄養素を無理なく摂取させることができ、これは豚の成長(「増体」という言葉を使います)に大きく影響してきます。消化しづらい乾燥飼料は、実際には乾物率の差ほどのアドバンテージがないわけです。このように飼料のコストや性質を考えるうえで、水分率は欠かせないファクターと言えるのではないかと思います。

その重要な水分率、J.FECではこんな機械で計ります。

 

正式には「加熱乾燥式水分計」というみたいです
正式には「加熱乾燥式水分計」というそうです

 

中はこんな感じ
中はこんな感じ

 

お皿の上にエコフィードを5g
お皿の上にエコフィードを5g

 

ピッタリ5g!(少しずれても平気です)
ピッタリ5g!(少しずれても平気です)

 

フタを閉じてスイッチを押すと、内部が加熱されて水分が蒸発していきます。蒸発しきった時の重さがエコフィード5g中の乾物量となり、そこから水分率を計算するというわけです。1回の計測にかかる時間はだいたい30~40分程度です。

 

完了!
完了!

 

今日の1回目の計測によれば、水分率は75.3%でした。原則として80%以下、できれば78%以下というのがJ.FECの基準なので、今日はとてもよい数字です。高すぎるとダメなのは上で書いた通りですが、低すぎても粘りが強すぎて扱いづらかったりするんですよね。2回目、3回目もこんな感じを期待したいところです。

 

今回はエコフィードの水分率についてお話ししました。そのほかの細かい成分については、別の機会にご紹介できればと思います。ご飯とおかゆの例えがわかりやすかったならいいのですが、あまり自信はありません……精進します。

と言い訳しつつ、それでは今日はこのあたりで。ご覧いただきありがとうございました!